こんばんは。レクシアです。
このトップ画は「シュトヘル 4巻」の第23話の見出し絵なのですが、すごくきれいですよね。
この23話のタイトルにもなっている「西夏文字」が物語のテーマで、登場キャラのユルールがこの文字の魅力について語るシーンが多くありますので、今回は「ユルールが考える文字の魅力と凄さ」について考えようと思います。
このマンガの紹介記事はこちら。
ユルールが考える文字の魅力と凄さ
皆さん文字って当たり前に使っていますよね?
このサイトのようにマンガを紹介するための記事を書く、本を読む、手紙を書く、仕事で書類を作成したり、と…
たぶん日本ではほとんどが日本語で、場合によっては英語や多国語を使うこともあるでしょう。まるで息をするのと同じように、人に何かを伝えるために使います。
この当たり前すぎる文字の魅力と凄さを「シュトヘル」のユルールが教えてくれます。
それではユルールが文字についてどのように考えているのか、考えがどのように変わっていくのかを見ていきましょう。
文字は人の心を伝え続けるから美しい
ユルールはツォグ族の少年で、西夏族から輿入れしてきたハラバルの母・玉花(イファ)に育てられ、西夏文字を教わりました。
そこであるとき、西夏という国の文化全てを消し去らんとするかのような大ハンの行いに危機感を抱き、せめて文字だけでも後世に残そうと西夏国の秘法「玉音同」(玉を彫って作られた西夏の文字盤)を担い手として持ち出します。
その「玉音同」を隠し持っていたのがボルドゥで、そのときにユルールはその決意をボルドゥに話しています。
「-文字は、人を憶えておくために生まれた。」
「遠くにあっても、時を超えても、人と人とが交わした心を伝え続ける…」
このように、もう亡くなった玉花(イファ)を憶えておくために、その玉花かあさんの愛した西夏文字を守っていきたいという思いで「玉音同」を持ち運びます。
この時点ではまだ子供だからしょうがないが、母への想いと美しく、あこがれるという気持ちのみで西夏文字を大切にしていると言えるでしょう。ですが、この「ー文字は、人を憶えておくために生まれた。」というのは重要なことではないでしょうか?
私たちは文字を使って人に何かを伝えます。
この文字が紙や本、石板やWeb、電子データなどに記されて誰かに読んでもらえれば、その文字に書かれた心や想いが伝えられる、憶えてもらえることとなる。身近すぎてわからなかったですが、文字を使って書けば書くほど、だれか人に憶えてもらえるという魅力を持っているのです。
文字で記すのは出来事と心なんだ…
ユルールは「玉音同」を後世に残す旅をしていきますが、西夏文字を消し去ろうというモンゴルの大ハンなどに追われることになります。大ハンの息子のナランに捕らわれますが、ナランと国や文字について語り合っています。
そこでユルールは文字についてある確信を得ました。
ユルールはナランに話します。
「おれと死ぬなら、やはり文字は生き物なんだ。」
「おれの見た出来事とおれの心が、おれから出て、今はおれと生きている。」
「その出来事と心のかたまりで、時代というものさえ読めるようになるかもしれない。」
「文字で記すのは、-出来事と心なんだ…」
このユルールの言葉で実現されたものが歴史・史実ではないでしょうか?
西夏文字などの古代文字を集めたかたまり、それを解読して歴史を知ることができるということがこのマンガに描かれています。
そうしてできた歴史を学ぶことで私たちは、古人の出来事や心を知ることができる。さらに私たちが歴史から学んだことを使うことで、人々の想いが文字によって未来に伝わっていくという凄さを表していると思います。
またこれは、文章を書くということの基本的な事をおさえたものであると感じます。
この出来事と心が投影された文章というのは、読み手にとって魅力的じゃないですか。それは書き手の心が見え、出来事に対して感じていることが伝わりやすく、書き手のイメージがしやすくなるからだと思います。
レクシアはこのマンガから、基本的な事だとは思いますが文字で記すべきものをはっきりと感じることができたと思っています。
文字たちは人と生きようとする
ユルールはナランのおかげで、西夏文字を消し去ろうとする大ハン(テムジン)と対話することになります。ちなみにユルールとナラン、テムジンは実は血のつながった親子。
テムジンは背中に「西夏の奴隷」と西夏文字で刻まれていて、文字を消し去ろうとしています。
ユルールはテムジンに語りかけました。
「誰かの勝利も、一方での誰かの悲しみも、死も。」
「強い支配も、それへ反発する心も。」
「すべて記され生き続ければ。」
「無数の出来事と心のかたまりが、それこそが、いつでも偽りのないものになる。」
「人と人を結び、かけられる土砂をはねのけて。」
「文字たちは人と生きようとする。」
ここでユルールは、文字が勝利などの出来事を伝えるとともに、弱者側の文字が苦しみや悲しみから救うことを説き、ゆえにどの文字も焼くなとテムジンに言っています。
文字は素晴らしい出来事を伝えるだけでなく、文字によって人々の悲しみも救えるということです。なんて素晴らしく凄いものなのでしょう。文字って。
ユルールは、最初は玉花の愛する西夏文字を後世に残したいという気持ちでいました。
それはある意味自分勝手な気持ちですが、玉音同を運ぶ旅をすることで、文字が人々の想いを伝え残すことの大切さを学び、文字が時を越え人と人とつながり、助け合い、世界を変えていく術であると考えるようになっていきます。
そうして成長していったユルールはテムジンを説得することができるのでしょうか?
今後の展開が楽しみです。
まとめ
このように普段当たり前に使っている文字。実はそれは、とても魅力があり、凄いものであるとこのマンガ「シュトヘル」から教わることができます。
こんな素晴らしいものだから、皆さんどんどん文字を使って文章を書いてください。レクシアのようにブログでも、手紙でも、本や論文を出せるようになったら凄いですね。
そうすれば、人に自分のことを知って憶えてもらえたり、人や未来に伝わって誰かを感動させたり、誰かを悲しみから救えるかもしれません。
あっ!? もちろんマンガも絵と文字を使っているので、マンガも描いてください。
レクシアが喜んで読みますので。笑
ライターの方やブログを書いている方にこのマンガはすごくお勧めです。
普段使っている何気ない文字の魅力・凄さを教えてくれます。
文章を書くときの純粋な気持ちがこのマンガから伝わるはず。
もちろん、マンガとしての完成度がすごく高く、アクションシーンも多いので、どんな人でも楽しめる作品ですよ。気になった方は読んでみてください。
レクシアはマンガを読んで、いろんなことを学んでいます。
そんなマンガから学んだこと・考えたことをこれからどんどん記事として書いていきたいと思っています。
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