電子書籍ユーザーがどうしても古本屋に行きたくなる日。古書店ガイドブック『マンガヨミアルキ』

「漫画好きが集い、語り合い、新しい発見を」をコンセプトに、自分がまだ見つけられてないマンガの元素マンガニウムを発見してみませんか?というGoogle+コミュニティで、同人誌『マンガヨミアルキ』を発行することになりました。

こちらはマンガ読みの為の古書店ガイドブックで、東京都内の古書店案内や『マンガニウム』コミュニティの活動とメンバーによる古書との思い出についてまとめた同人誌で、このコミュニティに所属するレクシアも巻頭コラムに寄稿させていただきました。

2017年6月18日、池袋サンシャインシティにて開催されるサンシャインクリエイション120のスペース”B16b”で頒布しますので、マンガや古本が好きな方はぜひ手に取っていただければ嬉しいと思っています。*追記:同人誌即売会サンシャインクリエイション120は終了しましたが、ComicZinで『マンガヨミアルキ』を委託販売しております。詳細は記事末に追記しました。

電子書籍ユーザーがどうしても古本屋に行きたくなる日【マンガヨミアルキ巻頭コラムに掲載】

電子書籍サービスがスタートしてから早5年。

漫画読みとしての猛者が集う『マンガニウム』のメンバーの中でもかなりの電子書籍ヘビーユーザーである私は、あまり古本屋に行かない。電子書籍蔵書数も2,000冊を超え、「Kindle Unlimited」などの読み放題サービスも利用し、絶版漫画を読みたければ「マンガ図書館Z」で読んでいる日々。

基本的に、紙の本をコレクションするよりも漫画というコンテンツを楽しみたい人のようなので、紙の本や電子書籍といった媒体にはこだわらない。よって、利便性の高い電子書籍は私の漫画ライフの価値観を覆し、古い本を買いに行くということから遠ざかった。

しかし、そんな私がどうしても古本屋に行きたくなる日がある。

さて、あなたは自分の人生に影響を与えるほどの漫画に出会ったことはあるだろうか。

私にとってのそれのひとつが、冬目景先生の『イエスタデイをうたって』だ。この作品は、たびたび連載休止しながらも約16年の年月をかけて全11巻で完結した(2015年9月)。 この作品を一言で紹介すると”同じ人を強い気持ちや思い続けるのは難しいけれど、そういう人たちがいたら素敵だな”という物語

自分にとっての大切な漫画が最高の形で完結した時、言葉にならない感激の涙で埋め尽くされている。その思いが少しおさまった時、古本屋に走っていた。私は、この作品を生み出した作家に感謝していたのだ。彼女に少しでも近づきたくて、過去作を全て読もうとしていたのだ。身に覚えのある人もいるだろう。

だが、絶版していて電子書籍化されてない作品はいまだ多くある。そんなとき、古本屋は本当にありがたい。

古本というと、他人の手垢や過ぎ去る時間によって色あせているだろう。しかしその本は、作家が魂をかけて生み出し、出版社や書店等の人々によって読者に届けられ、さらには読者から次の読者へと思いをつないでいる証だ。

古本は作家の利益にならないので、本や作家を愛するならば新刊を書店で買いなさい!と言ってくる輩もいる。しかし、出会うきっかけと楽しみ方は人それぞれの読書人生であろう。

つまり古本を買う人が、漫画や本を愛していないというのは思い違いであることを知ってほしい。日々便利に変化していく今の世の中で、わざわざ古書店に読みたい漫画を求める人は、きっと、深く本を愛している。

その人の手助けのひとつとして本書「マンガヨミアルキ」を手に取っていただければ、マンガニウムの私たちは幸せだ。

寄稿あとがき。

冬目景先生のマンガをはじめに読んだのは『羊のうた』でした。それから『イエスタデイをうたって』を読んで、柚原チカが好きだなぁ~と思いながらも予想通りなのに物語を最高のかたちで完結させたことに感動し、このとき過去作すべてを買いに行った思い出について書きました。

マンガでは電子書籍も同時もしくは一ヶ月遅れで出版することが当たり前のようになった今でも、冬目景先生の作品を含め過去作はまだまだ電子書籍化されてないものがたくさんあります。例えば『ももんち』『ハツカネズミの時間』『文車館来訪記』『黒鉄』など。

最近は以前より紙の本が売れなくなって、電子書籍や電子プラットフォーム(マンガアプリなど)が重要になってきています。でも紙の本はなくならないだろうし、ネットで話題になったからコミックも売れるようになったり、ネット発でコミックが出版されるようになったりと共存関係にあるのではないでしょうか。

そして本に特化した『ブクマ!』というフリマアプリや古書店のように、本棚の本が流動しやすくなることで新しいマンガと出会い、人の手を渡って著者の想いをつなげている。そう考えると、マンガも人のように出会って、読み込んで、語り合って、別れて、マンガが人をつなげて、まるで人生のようだ。

マンガニウムについて

『マンガニウム』はマンガ好きが集うGoogle+コミュニティですが、参加資格などはとくにありません。面白いマンガなにかないかな~って探してたりとか、自分の好きなマンガや話題になっているマンガについて話したいとか、なんかマンガについて話せる友達いなくて寂しいな~とか、そんな思いの人たちが集まっていますので、よかったら気軽に参加してみて下さい。

オーナーのさしみ会長(@Sashimi_man)が好きなマンガについて語れる相手がいないため、寂しくて立ち上げたコミュニティ(私も寂しいので参加しています)で、Googleハングアウトを用いて音声・ビデオ通話でコミュニケーション取れるのが楽しくて良いところです。もちろんマンガの話題だけでなく、くだらないことや下ネタ話もしています。笑
(毎週木曜日に週刊ハングアウト、月一回の月刊ハングアウトの定期開催)

本書の制作にもかかわった主なメンバーとして、美人マンガYouTuberの泡ガエルさんやマンガ知識豊富な熱い男YouTuberドクトル飛鳥さん、最年少のいじられキャラな片桐安十郎くん変態怪談バナナさんなどがいます。みんなキャラが濃ゆいのは致し方ない。

 

私としてはこのコラムに書いたように、マンガのことをどれだけ愛しているとか関係なくみんなマンガが好きな同士なのだから、いっしょに楽しみたいのです。数あるコンテンツの中からマンガが好きだと思ったのだからお友達になれそうじゃないですか?そしてこれからは、新しく面白いマンガが生まれるためにもマンガを広げるコミュニティが大切だと思っています。

マンガを制作するマンガ家や編集者の人、本を売る書店員や電子プラットフォームを運営する人、そしてマンガが大好きな読者のみんなが楽しめるような関係を築いていきたいですね。

好きなマンガを好きということで、マンガの素晴らしさを広げていこう。

 

最後にもう一度、マンガ読みの為の古書店ガイドブック同人誌『マンガヨミアルキ』をよろしくお願いします。マンガや古本が好きな方はぜひ手に取ってみて下さい!

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