バーチャルリアリティ(VR、仮想現実)の発展が目覚ましい昨今。
人間の感覚器官に働きかけ、現実ではないが実質的に現実のように感じられる環境を人工的に作り出す技術がVRと呼ばれ、現在はVRゴーグルとスマホで簡単に体験することができるようになった。
さて、こうなってくると技術的な進歩のみならず、私たちの日常生活にも普及して影響を受けると思う。
言語化の難しい抽象的なアイディアをビジュアルとして掲示することから、仮想現実で理想の恋人を作ってしまうといったこと、そして現実で対峙しなくても仮想現実で会って相手の顔と声を聞いて触れ合いながら会話するコミュニケーションをするようになるかもしれない。
そんなバーチャルリアリティの世界と現実で起こるかもしれない未来の恋愛事情を描いたマンガが『S〔エス〕-君と、彼女と、運命と』。
ただ、そんな堅苦しいこと考えなくても、むちゃぽこかわいい女の子とリアルやバーチャルでいちゃいちゃしたいよね、あんなことやこんな破廉恥なことしたいのだ!うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!? って、悶えるラブコメです。笑
S〔エス〕-君と、彼女と、運命と 第1~2巻/南部ゼロイチ
現在VRの世界を体験しようと思ったら簡易的なものでVRゴーグルとスマホを利用するが、本作では世界初のインプラント情報端末epo-C【エポック】が発売され普及している。
右こめかみに超小型端末を注入して使用するインプラント技術で、人の意識をSシステムというバーチャルリアリティーにダイブさせ自在に歩き回ることができるシステムでありコミュニケーションツール。
なかでも若者が最も熱を上げているのが「SX(エスエックス)」だ。これは恋人同士がSで待ち合わせをして性行為に及ぶこと…!?
なんだこれ、最高じゃん!!と思うかもしれないけど、このマンガの男子高生たちはまだあんまり破廉恥に使いこなせてない。男同士で集団チャットして、下ネタや女の子を落とす作戦立ててたりする。なんかリアルとあまり変わらない気がする。
そしてなにより、主人公の空生駆(そらお・かける)は見た目わりとイケメンでむちゃぽこかわいい紬汐里(つむぎ・しおり)という彼女がいるのに…イタい男なのだ。
高校生の頃同級生に1人くらいはいただろう、彼は彼女がいるからとドヤ顔で同級生たちに恋愛講座を語りまくるヤツ。しかし実は、リアル(R)でもエス(S)でも童貞という…これ絶対に黒歴史確定だわ!
というのはさておき、まず女の子がみんなむちゃぽこかわいい!なにより、女の子の恥じらいとツンデレの描写が最高すぎて悶える。脳筋ぶりを発揮するヒロインの汐里だけでなく、魔乳高嶺の花的美女な生徒会長の榊英恵(さかき・はなえ)、Sビッチな岬愛奈(みさき・あいな)とか、意外と駆のAIコンシェルジュnota(ノタ)は幼女っぽいけどいいぞ。
ただ、このマンガがやっぱり面白い理由は、リアルとバーチャルとそのふたつが重なる恋愛コミュニケーションを描いているからだ。
この未来の恋愛事情を描いた本作では、キャラたちの人柄はリアルとバーチャルが相対的に見られて周囲の人々に評価されている。「SもRも童貞だった!ウケる!」と女子会で笑われてたりするし、リアルで不安なことがバーチャルでエロい欲望が爆発したりもする、バーチャルの暴走がリアルの体や周囲からの評価に影響する。リアルとバーチャルの双方の印象や絆が、相手と恋愛関係へ発展するかにかかわってくる。
つまり、恋愛関係はどんなときでもコミュニケーションによって深まるのである。
リアルでもバーチャルでも、直接会ってお話ししてもSNSとかでも、そして心のつながりも体のつながりも。お互いを尊重したコミュニケーションが大切で、そんななかでみせる女の子のドキドキして恥じらいの顔やプンスカ怒る姿がむちゃぽこかわいいのだ、好きになるのだ。
それにしても、かわいい女の子とリアルやバーチャルでいちゃいちゃしたいよね、キスとか破廉恥なことしたいよね。未来の男女交際はこのマンガのようになってるかもしれないので、はよ!インプラント型VRよ発展せよ!そのころはおっさんかじいさんだろうけど、自分を若返らせてSシステムを利用すればいいのだ。
うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!?
俺は会長とえせっくすがしたい!!
マンガ家・南部ゼロイチ先生の言葉
このマンガの著者である南部ゼロイチ先生から読者に向けてのコメントを頂きました!
@hyper_lexia 記事のように、とにかく楽しんでいただければ本望です…!
未来はどうなるのかな~?とがっつり未来について考えてもよし、SXしてぇ…と妄想にふけるもよし、様々な方向から楽しめるような作品づくりを目指していきますので、これからも何卒、Sをよろしくお願いします!— 南部ゼロイチ (@nambu_01) 2017年5月25日
漫画アプリ『GANMA!』にて全話無料で読むこともできますが、コミックではおまけと「第0話 汐里のクローゼット」も収録されているので、ぜひ書店へGO!
AIコンシェルジュにコーディネートしてもらったり相談に乗ってもらったりするのも楽しそうで、AIやVRが普及した未来が楽しみだ。
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