4コママンガなのに泣ける!? 作家と妻の日常マンガ『だって愛してる』の言葉に嘘はないのです。

4コママンガといえば「人生を4コママンガにすればどんな人生でも笑える」というほど笑っておもしろいというイメージのあるジャンルのマンガですよね。

ですが、今回紹介する4コママンガは笑ってしまうけど泣ける…
はっはっは!と笑っていたかと思えば、急にしゅんっとなって泣けてくる作品です。

レクシアが4コママンガで泣ける作品を挙げるとするならば、間違いなくむんこ先生が描く「だって愛してる」でしょう!!

むんこ先生は4コママンガ「らいか・デイズ」で有名ですが、今回は4コママンガなのに泣ける「だって愛してる」を紹介します。

 

だって愛してる 全3巻/ むんこ

作品概要

他の連載作品では子供が主人公となる物語の多いむんこが描く、売れない小説家雄二とパートで家計を支える勤労妻街子の夫婦を中心としたハートフルコメディ。舞台は、『らいか・デイズ』などと同じく花丸町。一回の掲載分に含まれる作品がストーリー上のつながりを持ち、連載全体としても一つのストーリーが進行していくストーリー4コマの手法が用いられている。

Wikipedia – だって愛してる 概要 より引用

売れない作家はダメ男?

作家とはものすごく大変な職業だ。

多くの人がイメージする作家とは、本屋さんに著者の本がたくさん並んでいて印税による収入も多く大先生と呼ばれたりもする。

しかしそれは一部の有名な作家のみであり、たとえそんな有名な作家であっても部屋にこもって頭を悩ませ、人の心を動かす文章を書こうと日々苦悩している。ゴーストライターを使っている場合は別だが

これが新人の売れない作家となれば、当然本屋に本が並ぶこともほとんどなく下手するとただのニートにみえる。

 

そう、このマンガの主人公・寺田雄二はどうみてもただのニートで、遅筆で仕事もはかどらずに昼はパチンコ、夜はツケで飲み歩くただのダメ男にみえる。それに対してパートで家計をささえる妻・街子はものすごく働き者の八百屋の看板美女である。

そんなダメ男の雄二をボコボコにする街子がとてもおもしろくて、ざまーみろ!的な感じでケタケタ笑える。

「だって愛してる 1巻」 むんこ P9 (まんがタイムコミックス)
「だって愛してる 1巻」 むんこ P9

なんで街子はこんなダメ男と結婚しているのか?と不思議に思うかもしれないが、そんな雄二は意外と町のみんなに慕われている。子供にものすごく人気者で実はとてもいいヤツである。

それはなぜかというと、彼が子供の頃に両親がケンカし、母親には捨てられ、高校生の頃にはろくでなしのアル中父親が亡くなるという不幸な経験をしている。そんな経験もあって、子供にさみしい思いをさせたくないと思っているのか近所の子供達とよく遊んでいる。

 

仕事が忙しいお父さんに怒られて落ち込んでいる近所の子供を、雄二と街子の二人は遊園地に連れて行く。楽しくワイワイ遊んでいた三人だが、閉園5分前に近所の子供の父親が駆けつける。

「だって愛してる 3巻」 むんこ P45 (まんがタイムコミックス)
「だって愛してる 3巻」 むんこ P45

憎たらしい父親の記憶ばかりでなく、夢で愛された記憶を思い出す雄二は無意識に泣いていた。 そんな雄二をみてレクシアも泣く。

このマンガのすごくいいところは4コママンガなのにストーリー性が強いところだ。

こんな雄二の悲しい過去は第2巻に掲載されている短編マンガ「特別編 雄二の居た場所」にも収録されていて、4コママンガだけでは伝わりにくい部分を上手く表現しているところがとてもいい。

 

説明出来ない好きと愛

いつも雄二を殴っている街子だが、街子は雄二のことを本当に愛している。

街子は雄二の悲しい過去をちゃんと知っており、むしろそんな雄二だからこそ同情かもしれないが好きなのだ。

街子は母親に雄二との結婚を反対されていた。それはまあ当然というか、お金のないダメ男にみえる雄二なのでほぼかけおちのような状況で式も挙げずに結婚している。

そんな状況であれば当然母親は街子を連れ戻しに来る。

「だって愛してる 3巻」 むんこ P77 (まんがタイムコミックス)
「だって愛してる 3巻」 むんこ P77

このように好き・愛してるという言葉はそう簡単に説明できるものではない。

詳細な好きなところを挙げたり、言葉に表わしたりできないけれど雄二を好きで愛してるという気持ちを信じている街子に惹かれてしまう。腹筋6つに割れているが…笑

 

もちろんよくあるベタなラブラブ4コマももちろんあって、その雄二と街子のラブラブさ加減に雄二の担当編集者・曽根さんはよく嫉妬しているほどだ。そして曽根さんは街子のことが好き…だった。

そんな出版社側のキャラ達もおもしろいヤツばかりで、短編マンガ「特別編」などでシリアスに描かれることもある。

 

だって愛してるの言葉に嘘はないのです。

愛について様々な想いが人それぞれあると思うのだが、このマンガを描いたむんこ先生も愛について深い想いがあると感じる。第3巻の巻末でむんこ先生はこのような言葉を掲載している。

愛とは即ちエゴだと思います。
エゴだと思っていないとしたら、それが一番のエゴだと思います。
それでも、この言葉に嘘はないのです。
「だって愛してる」

「だって愛してる」3巻 P113

ちなみに作品タイトル「だって愛している」の言葉は、作品中にセリフとしてたった一回しか登場しない。このように4コママンガでも愛についていろいろと考えることができ、おもしろくて笑っていたかと思えば急に泣いてしまう作品である。

 

こんな人におすすめ!!

  • ストーリー性のある4コママンガが好き
  • 笑ったり泣きたい
  • 愛とはなにか考えたい
  • 文章を書く人

 

「だって愛してる」と言われたらなんて答えればいいかわからないけど、そっと抱きしめられるかのような感覚に陥るこのタイトルに惹かれたレクシア。また、第2巻の巻末あとがきにもありますが「不安の、その先へ」というフレーズも好きです。

こんな雄二と街子のような関係の夫婦に憧れるのです。そんな泣けるけど幸せな気持ちになれるマンガって本当にいいですね。

4コママンガで実際に泣ける作品をレクシアは他に知らないので、もし4コママンガで泣けるおすすめ作品があるという人はぜひ教えてほしいと思っています。

コミック情報!

雄二と街子の子供・木の葉を主人公とした「だってあいちてる」がスピンオフ作品としてあります。内容は、雄二の元憧れ有名作家・畑中先生(おっさん)救済物語です。笑

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