今日は、漫画の新刊レビューさせていただきます。
本来なら先に紹介したものを新刊レビューするべきなのでしょうが、有名な漫画ならいいよね?と思って新刊レビューしちゃいます。
3月のライオン 11巻/ 羽海野チカ
この漫画を描いている羽海野チカ先生は「ハチミツとクローバー」で有名になった漫画家ですね。
この11巻新刊は、シンガーソングライターのスガシカオさんがブログに感想を書いて少し話題になっているみたいですね。 また、TVアニメ化&実写映画化も決定しているようです。
さて、この話題になっている3月のライオンですが、どんな漫画かも知らない人ももちろんいると思います。 ここで10巻までの簡単なあらすじと、11巻の内容について書いていきたいと思います。
10巻までのあらすじ
主人公の桐山零は、交通事故で家族を亡くして父の友人の棋士の家で内弟子となっていたが、15歳で将棋のプロ棋士になるときにその家を出て、高校へは進学せずに三日月町で一人暮らしをする。
しかしプロの道での停滞を感じ始め、1年遅れで高校へと進学して、近所の川本家の長女(あかり)と出会うことをきっかけに川本家にお世話になるようになる。
このお話は偽りの草食棋士である桐山零を中心として、プロ棋士界における棋士たちの奮闘と友情による展開と川本家によるいじめや家族愛にかかわることで主人公が成長していく物語である。
10巻までで、棋士として新人王のタイトルを獲得した零は、川本家の次女(ひなた)のいじめ問題が解決して少し安堵しているときに川本家三姉妹のろくでもない父親(誠二郎)に突然出くわす。
よそで家族をつくって出でいった誠二郎は三姉妹に家族一緒に暮らそうと提案するが、零は冷静に事情把握と分析をして、ひなたにプロポーズ(また付き合ってもいない)しつつも川本家の話し合いに割って入る。
と10巻終わりの時点で、みんな「ええーっ!?」とナニコレ急展開スギとびっくりしたところで終わっていました。
11巻のレビュー(ネタバレ)
ここから零は、ひなたとあかりにそっくりな父親にどうしようもなく目がくらみながらも藤本霊堂棋士と対局する。
霊堂棋士のネチネチした若手いびりを聞き流しながらも最終的に
「婚約者にストーカーがつきまとっているんです!!」
と言い合いをして、たまたま近くで聞いた零の研究会の先輩である島田八段棋士は、屍のようにショックを受ける。
こんな風に、後輩想いでおもしろいリアクションの島田棋士の姿を見て、この物語はすごく人の良い人たちばかりでとても癒されます。
羽海野チカ先生のお話は、パッと見いやなキャラでもいろんな過去や苦労があってのことであり、どうしようもない悪いキャラは今まで出てこなかったといってもいいぐらいの内容を描く漫画家だったと感じていました。
しかしこの11巻で、羽海野先生はほんとどうにもならないキャラ誠二郎を表現していきます。
このあと誠二郎は、川本家の近所で待ち伏せしていますが、零に見破られて二人で話し合います。
誠二郎の現奥さんは病気みたいですがさらに不倫をしており、現奥さんの面倒や子供の世話をあかりさんに任せて新しい彼女と楽しく過ごそうと考えているのではないか、と零が問いかけます。
しかし誠二郎は、否定もせず自分に酔いしれながらもいいこと言ってる風に笑顔で取り繕います。
そこで零ははっきりと誠二郎を否定し続けます。
後日、三姉妹と零は誠二郎とその現娘と対面しました。
誠二郎は、あかりに現娘の世話をしてくれないかとお願いします。
あかりは心の中で、当時のだいすきだったお父さんの話していたこと、悲しみと絶望を思い出しながら誠二郎に伝え、ひなたと二人ではっきりと断ります。
そのあかりとひなたの泣く姿をみて、本当にこっちが泣きそうになりますよ。
今まで本当の悪者を描いていなかった羽海野先生がここで、どうしようにもないクズな父親を描きます。
これは、良きことばがりではないこの世界を、現実を表現したかったのではないでしょうか?
あえて悪いことを描くことで、本当に善いものがいかに尊いものなのかを伝えたかったのではないでしょうか?
レクシアはそう思います。
またこの巻ではっきりと零が成長していることが描かれています。
最初の方はほんとオドオドしていましたからねー 心の内にある熱きものを出すことができず、自分を追いつめていたあの零が将棋の時だけでなく強くたくましくなってきました。
あいかわらずどこかずれてはいますけどね。笑
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