『リクドウ』 拳というのは殴り返すためにあるんだ!!

皆さん、スポーツマンガは読みますか?

スポーツマンガというと友情・努力・青春が主に描かれているようなイメージですが、スポーツマンガのイメージを覆すような重く陰鬱だけども燃えるボクシングをテーマとしたマンガを今回紹介します。

リクドウ 1~9巻/ 松原利光

あらすじ

虐待されながら悲惨な家庭で育った主人公の芥生リクは、父親が借金を苦に自殺した時に借金を取りに来たヤクザで元ボクサーの所沢京介と出会う。 そのときリクは、自殺した父親を殴っており、京介に拳の使い方を見せられる。

その後、父親と別れた母親と暮らそうとするが母親はヤクザの愛人で薬物中毒になっており、母の愛人に暴行を受けた時に、所沢に教わった拳の使い方でヤクザを返り討ちにして殺害してしまう。 このことをきっかけに児童養護施設に入ることとなるが、リクに気をかけた職員・江原がヤクザに強姦され、そこでも悲惨な事件が起こった。

この事件をきっかけに、所沢が以前所属していた馬場ボクシングジムに幼き頃から入ることとなり、リクのことを好きな同じ児童養護施設の苗代ユキとリクのボクシング人生が始まった。

 

見どころ

このボクシングマンガは、背筋が凍るくらい哀しき雰囲気の漂うリクの拳やその拳に魅せられた天才的高校生ボクサーの兵動楓とのやり取りや試合が見どころです。

また、リクのことを好きな苗代もいますがラブ感やなごむことはなく、一貫して哀しい生い立ち、リクの異常なまでのストイックさ、背筋の凍る切れ味のいい拳など主人公が幸せになるような明るい雰囲気を漂わせません。

かなり重く陰鬱な青年向け作品といえましょう。

 

絵は少し粗削りなとこもありますが、この漫画の雰囲気にあった描き方や迫力はあります。
筋肉の見せ方やボクシング試合での迫力、キャラの表情はとてもいいです。

「リクドウ 4巻」 松原利光 P56-57 (ヤングジャンプコミックス)
「リクドウ 4巻」 松原利光 P56-57

なにより、主人公リクのキャラが際立っていて、他のスポーツマンガにはあまりない魅力を持っていると思いました。

ボクシングというスポーツなのに、青春とは無縁の主人公やさわやかな友情などの要素が全くなく、他のマンガとは差別化されていると思います。 これからリクがどのように変わっていくのか、リクは幸せになれるのか、どのような結末を迎えるのかと今後の展開が楽しみです。

 

この作品は現在、週刊ヤングジャンプに連載中。

同じようなスポーツマンガの展開に飽きている人は読んでみるとおもしろいと思います。

ただ、この作品は読む人を選ぶかもしれません。

 

こんな人におすすめ!!

・ボクシングマンガが好きな人
・重く陰鬱な内容・ストーリーが好き
・バトルシーンでの迫力や動きにキレのある絵が好き
・ヤンキーマンガが好き

 

このスポーツマンガとしてはあまりないような設定の作品ですが、ヤンキー系のマンガが好きな人にはいいかもしれません。

ちょっと感じたのが、原作:佐木飛朗斗 作画:桑原真也先生による「R-16」に似たような雰囲気を持っている作品だと感じています。

このマンガも大好きなんですよねー。全巻持っています。

このように人を選ぶ漫画ではあると思いますが、青年誌的な重く陰鬱な内容でおもしろかったです。

ぜひ読んでみてくださいね。

 

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